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感性と理性で仕事する

アニメーションやモーショングラフィックの制作は感覚的、直感的な作業だと思われるかもしれません。実際、制作者の感性に依存している面はあり、1人のデザイナーのインスピレーションだけで成立する「アート」のような仕事も中にはあります。しかし多くの仕事ではクライアントの「メッセージ」や「ストーリー」を伝えることがミッションですからそれだけでは不十分です。

 

1つの映像を作り上げる過程は選択の連続とも言えます。プランナーやディレクターだけでなくイラストレーターやモーションデザイナーも多数の選択を積み重ねています。そしてその多くには一般的に視聴者が適切と感じる選択肢が存在します。

 

例えば主人公はなぜ女の子ではなくおじさんなのか、ナレーションはなぜ「ですます調」なのか、背景色はなぜ赤なのか、書体はなぜヘルベチカなのか、このタイポグラフィはなぜイラストの右側に配置されるべきなのか、キャラクターのマバタキはなぜ1回ではなく2回なのか、などなど。

 

制作者によって答えは違うこともあるしそれが個性なのですが、少なくともなぜその選択をしたのかという説明を、リポグラムはメンバーに求めています。クライアントの担当者が納得できて、さらにその周りの人達を説得するためにも、言語による説明が必要なのです。

 

また、リポグラムでは制作過程のいろいろなタイミングで関係者が集まり、画面を見ながらディスカッションを行っています。それぞれの制作者が行った選択の結果を多くの目で確認し、言語化して検討することが、より普遍性と説得力を持った映像を生み出すことにつながります。

なかばやし